「THE 中医協」レビュー

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ぎんねず
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中医協って?

ネコ薬剤師
ネコ薬剤師

ざっくり言うと、医療の価格表を決めている機関だよ。

この本では中医協そのものについて語られているというよりも、医療保険制度とそれらを取り巻く国の経済状況について書かれた内容となっています。

今回は現役の薬局薬剤師の立場からこの著書の内容と感想をまとめていきます。

中医協とは

中医協とは「中央社会保険医療協議会」の略で、診療報酬の点数を決めている機関であり、診療報酬とはいわゆる医療行為別の価格表のことです。

医療に対する報酬は公定価格で定められているため、この治療を行った時は何点、あの治療を行ったとっきは何点でいくら請求できると定められています。

そのため、テレビドラマのドクター X のような高額な報酬を与えられような病院は実際には存在していません。

なので極端な話、例えどんなに熱心に取り組もうが、ただ単に最低限をこなしてるだけであろうが与えられる報酬は変わらないのです。

医療費に関しては診療報酬の 全体の予算の事を決めるのは内閣府であり、その上で改定の基本方針を定めるのは社会保障審議会の医療部会と医療保険部会となっています。

中医協はそれらで決められた改定率と基本方針の中から各医療に対して改めて点数を定めていくという役割を持っています。

つまりは、何か内閣府がお金を調達して、それらの分配の仕方を決めるのが中医協の役割ということです。

薬剤費と医薬分業

1971年の段階では薬剤費が医療費の46%を占めていたとされています。

しかし2000年ぐらいの段階においては医療費の薬剤費は20%程度まで減少しています。

以前はなぜ薬剤費の割合が高くなってしまったのかですが、

医療は「見かけ上の費用が低いためである」とこの著書では書かれています。

現在でも、国民皆保険の影響で医療の負担割合が3割、一般の高齢の方なら1,2割となっているため本人の負担が少なく感じがちです。

 病院に勤務されている医師もあくまでサラリーマンであるため、 実際の利益にあまり関心がなく、それであれば、とりあえず検査をする、薬剤も同じ要領でとりあえず出しておくというような風潮になってしまっていたのです。

つまりは余分な薬が出されていたことになります。

ないよりはあった方がいいといった具合の薬でも保険制度の基で大量に消費される原因になったのです。

また、当時のそのような体制であれば薬をたくさん出せば出すほどが儲かる仕組みになってしまい、いわゆる薬漬けも懸念されてきました。

医薬分業が急速に進んだため医療費の薬剤費の割合がここまで減少してきたということになります。

2016年の財務省の官僚から、調剤報酬は、医科、歯科を大きく超える伸びであり、医薬分業は大きく進展したが本来の目的とは大きく異なる様相を呈していると指摘。結びには調剤基本料調剤料を引き下げると断言 されたそうです。

これは見方にもよるのですが、処方箋一枚からの利益率はおよそ25%とされています一般的な小売業の利益率は大体3から4割程度されているので利益率としては小売業の中ではあまりよろしくない数字であることも事実ではないかと思いますね。 

高額な医薬品への対応

研究が進み高額な医薬品も誕生してきています。薬剤費は特に化学療法製剤が高額となっており、オプジーボという肺がんの治療に効果のある薬が承認された際の話です。

肺がん患者の年間医療費は3500万円であり、対象となる患者数は5万人となります。

そして全ての患者に対して投与された場合は年間1兆7500億円に達するとの推計。

そのため、日本の医療も崩壊するのでないかというふうな意見もあり、 財務省から同様の指摘が入り、中医協でも緊急的な薬価引き下げを議論となり翌年にはいきなり50%の薬価を引き下げることになりました。

 薬価の改定は以前は2年ごとでしたが、最近になって1年ごとの改定に変更されています。

財務省や行政側からも圧力がかかっており、業界としてもかなり状況は厳しくなりつつありますね。

現在の日本では少子高齢化による 医療費の増大が見込まれているので、そのため今まで以上に診療報酬の点数をつけ方が厳しくなってくることが予想されています。

海外でも行ってる取り組みとしては医療を効率的に実施した機会に対してはその部分のインセンティブを与えるといった ペイ4パフォーマンスという概念があり、日本でも「医療技術評価:HTA」と言い換え、医療費を適正に分配していくと考えている動きもあります。

しかし、医療が効率的に実施されているかという評価をするというのはなかなかに難しく、医薬分業が遅れていた日本においては特に情報が院内で終結していたため、データが少ないのも問題ですよね。

今後は日本もデジタル技術の導入に力を入れ、ビックデータを用いて解析された情報が必要とされていきそうですね。

総括

かつては、中医協が医療費の改定率まで決めており、厚労省の官僚たちが実験を握っていましたが、日本経済の悪化、少子高齢化の影響により、財務省をはじめとして、外からの圧力が一層強くなってきています。

診療報酬も以前よりもより具体的な内容となっていき、例え医師といえども高額な給与が以前ほど見込めない状況となってきているのかもしれません。

このような体験談の本も出版されていますしね。

健康保険制度も今後は徐々に悪化したり、個々への負担が増えてくることが予想できますね。

とはいえ、国民皆保険を今後も堅持していくのであれば必要不可欠なのでやむを得ないのでしょうね。

「THE 中医協」では健康保険制度の歴史や今後の行く末がどうなるかを知るにはいい本でした。

特に医療関係者は給料の源泉がどこからきて、どのように配分されているのかを学べるいいきっかけになるかと思います。

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管理人
この記事を書いた人

1988年生まれ。調剤薬局の薬局長、配送業を開業してフリーランスでも活動中。
趣味:資産運用
色んな知識、知識考え方に触れるのが好きで日々世界ニュースや、本を読んだりするのが好きです。
保有資格:認定研修薬剤師、FP2級、宅建、第2種電気工事士など

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